罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの」と定義しています。
代表的な症状として厚生労働省は、
「疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下」
などをあげている。
そのうち最も多い症状は倦怠感で、後遺症患者の50%以上にみられ、
「続いて息切れ、味覚障害、集中力低下」が多く、咳も約20%にみられる。
漢方薬を選ぶ時には原因が新型コロナウイルス感染症の後遺症かどうかにかかわらず、症状やサインが重要な指標になる。
咳や痰に対しても、どのようなタイプの咳か、痰の性状はどうか、息切れがあるかなどによって漢方薬を使い分ける。
新型コロナウイルス感染後にみられる咳は、多くが「痰の少ない」いわゆる乾性の咳。
特にのどに痰がからまって取れない、息を吸いにくい、不安感が強いなどの症状を訴える人が多い。
【半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)】を使用されることが多い。
熱っぽいなどの症状が残っていれば【柴朴湯(さいぼくとう)】。
のどがいがらっぽくて発作性に顔を真っ赤にして咳き込み、最後に吐きそうになる空咳発作は【麦門冬湯(ばくもんどうとう)】の適応。
夜間にのどの奥が乾燥して咳が出る人には【滋陰降火湯(じいんこうかとう)】
喘鳴と発汗を伴って激しく咳き込む人には【麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)】がよいこともある。
痰が多い湿性の咳の場合、何となく胸苦しくて気分がさっぱりしない人には【参蘇飲(じんそいん)】が効く。
夜間に咳や痰が多くて安眠できなければ【竹筎温胆湯(ちくじょうたんとう)】。
粘稠で切れにくい濃い痰が多く出れば【清肺湯(せいはいとう)】
咳が激しくて胸にひびいて痛むようなら【柴陥湯(さいかんとう)】。